【設備管理の仕事内容】9割の経験者が見過ごす「守り」から「創る」へのキャリアシフトとは?

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私たちの暮らしや経済活動に欠かせない建物を、裏側から支える設備管理の仕事。経験を重ねるほどに知識や技術が身につき、安定したキャリアを築ける、やりがいの大きな仕事です。一方で、ふと「自分の成長が止まっているのではないか」「日々の業務が同じことの繰り返しかもしれない」と感じる瞬間はありませんか。


厚生労働省の調査を見ても、関連する職種の賃金は年齢と共に上昇するものの、ある程度のところで緩やかになる傾向が見られます。これは、経験年数だけでは評価されにくい「見えない天井」が存在することを示唆しているのかもしれません。


安定した毎日は大切です。しかし、その安定が、いつしか自身の可能性に蓋をしてしまうとしたら。このままでいいのか、と自問するその気持ちこそ、あなたが次のステージへ進むための大切なサインなのかもしれません。




あなたの仕事は「守りの管理」? 従来の設備管理業務の範囲と役割

設備管理の仕事と聞いて、多くの人が思い浮かべるのは、日々の点検や監視、メーターの数値を記録し、異常があれば対応するといった業務ではないでしょうか。いわゆる「ビルメン4点セット」に代表される資格を活かし、建物の安全と快適な環境を維持する。これらは、建物の価値を維持するための非常に重要な「守りの管理」業務です。


決められた手順に従い、チェックリストを埋めていく。小さな異常を見逃さず、迅速に修繕を手配する。こうした地道で確実な仕事の積み重ねがなければ、建物の機能はあっという間に損なわれてしまいます。その責任と役割の重要性は、言うまでもありません。


しかし、この「守りの管理」だけを突き詰めていくと、どうしても業務範囲が限定的になりがちです。あくまで「維持」が目的であるため、顧客に対して新たな価値を提供するには限界があります。それは結果として、自身の評価や待遇が一定のラインで頭打ちになりやすい、という現実にも繋がりかねません。言われたことを完璧にこなすプロフェッショナル。その先に、どのようなキャリアを描けるでしょうか。




キャリアを拓く「創る設備管理」という選択肢

「守りの管理」の先にあるのが、建物の価値を能動的に高めていく「創る設備管理」という働き方です。これは、単に既存の設備を維持するだけでなく、より省エネで効率的な設備への更新を計画・提案したり、ときには改修における設計や施工管理そのものに深く関わったりする仕事を指します。


例えば、ある商業施設から「空調の効きが悪い」という相談を受けたとします。「守りの管理」であれば、故障箇所を特定し修理するのが主な役割です。しかし「創る設備管理」では、一歩踏み込みます。「なぜ効きが悪いのか」を建物の構造や人の流れから分析し、「この区画には、こちらの機種で、このようにダクトを配置するのが最適です。将来的なメンテナンスコストも考慮すると…」といった、技術的な根拠に基づいた提案を行うのです。


実際に、給排水や空調設備の設計から施工、そして保守までを一貫して手掛ける有限会社志賀設備工業のような企業では、こうした動きが日常的に行われています。顧客の潜在的な課題を掘り起こし、技術で解決策を「創り出す」。これは、国が推進するBIM(建物の情報をデジタルで一元管理する仕組み)の導入が進む建設業界全体の流れとも合致しており、これからの時代に強く求められる専門性と言えるでしょう。




なぜ「創る」経験があなたの市場価値を高めるのか?

「守る」経験に「創る」経験が加わると、あなたの専門家としての価値は飛躍的に高まります。その理由は大きく分けて3つあります。


一つ目は、建物の一生を見通せる「俯瞰的な視点」が養われることです。設計や施工に携わることで、なぜこの設備がこの場所に、この仕様で設置されているのかという根本を理解できます。その結果、目先の修理だけでなく、数十年先を見据えたランニングコストや更新計画まで含めた、説得力のある提案が可能になります。


二つ目は、顧客のビジネスにまで踏み込める「課題解決能力」です。単なる設備の専門家ではなく、顧客の事業パートナーとして「この改修を行えば、エネルギーコストがこれだけ削減でき、事業利益にこれだけ貢献できます」と語れるようになります。


そして三つ目は、多様な関係者をまとめ、物事を前に進める「推進力」です。設計者、施工業者、そして顧客。それぞれの立場を理解し、プロジェクトを成功に導いた経験は、どの業界でも高く評価されるでしょう。実際に、大手転職支援サービスの情報を見ても、施工管理や設備設計の経験を持つ人材は、常に高い需要と年収水準を維持しています。これこそが、市場価値の確かな証明と言えます。




明日からできる、「創る」設備管理者への第一歩

「創る」と言っても、すぐに設計図を描いたり、大規模な提案をしたりする必要はありません。大切なのは、日々の業務の中で「創る」ための視点を養うことです。


例えば、担当している設備のエネルギー使用量をただ記録するだけでなく、「先月より消費量が増えたのはなぜだろう?」「もっと効率的な運転方法はないだろうか?」と一歩踏み込んで考えてみる。その気づきを、簡単なメモでも良いので上司や同僚に共有してみる。これが「創る」ための第一歩です。


また、小規模な修繕工事の際に「なぜこの工法が選ばれたのか」「他の選択肢はなかったのか」を施工業者に質問してみるのも良いでしょう。彼らの持つ現場の知見は、あなたの知識を何倍にも豊かにしてくれます。


こうした日々の小さな探求心は、いずれ管工事施工管理技士のような、より専門的な資格取得への挑戦にも繋がっていきます。資格は、単なる肩書きではありません。あなたの「創りたい」という想いを、確かな知識と技術で裏付けてくれる、心強い武器になるはずです。


もし、私たちの「挑戦を後押しする文化」に少しでも共感いただけたなら、私たちの価値観や働く環境について、より詳しく覗いてみませんか。

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結論:未来の設備管理は、あなたが「創る」

これからの設備管理者に求められるのは、決められたことを正確にこなす「作業員」としてのスキルだけではありません。日経クロステックのような専門メディアでも頻繁に語られているように、業界全体が、建物の価値を最大化できる「創造性」を持った人材を求めています。


あなたは、ただ建物を「守る」だけで満足でしょうか。それとも、その知識と経験を活かして、顧客と共に新たな価値を「創る」専門家を目指しますか。


どちらの道を選ぶのか、その答えはあなたの中にしかありません。もしあなたが後者の道を歩みたいと願うなら、ぜひ「創る」経験を積める環境に身を置いてみてください。あなたのキャリアは、そこから大きく、そして豊かに広がっていくはずです。


この記事が、あなたの次の一歩を考えるきっかけになれば幸いです。

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